子どもの視力について
「弱視」という言葉をご存知でしょうか?
「弱視」とは8歳くらいまでに、網膜(もうまく)に鮮明な像が写せないために、見る力の発達が妨げられて、視力が出にくい状態をいいます。

要するに、視力が悪くても眼鏡をかけても見えない状態をいいます。
しかし、弱視は適切な時期までに治療を行えば、見える力の発達ができる病気です。このため3歳児健診では弱視検査が行われています。

皆さんは、この検査で異常が見つからなければ、弱視の心配はないとお思いでしょうが、実際にはこの検査では、全ての弱視を見つけることはできません。
実際に、小学校に入るころになって、弱視に気づかれることも散見されます。

このため、現行の弱視検査だけでは十分な検査になっていません。
近年、3歳児でも簡単で高精度な弱視検査機器が発売され、当院でも使用しています。
院長が園医をしている保育園、幼稚園において3歳児健診で異常なしといわれたお子さんに弱視スクリーニングを行ったところ、約200名のうち3名に異常がみつかり眼鏡等で視能訓練を行う必要のある弱視の方がいました。

また、平成29年度に熊本県小児科医会、熊本県眼科医会、熊本市保育園連盟が協力して、3歳児健診が終わった子ども達に、この機器を用いて弱視検査を行ったところ(院長も参加しました)
熊本市の3歳児健診を受けたお子さんで(775人)で 17名の弱視の患者さんが見逃されていました。
子どもの視力は、本人しかわかりません。しかし、子どもは小さいときからその視力で見ることに慣れているため周囲の人は気づかないことが多いものです。

お子さんの視力についてもお気軽にご相談ください。